作品/資料詳細
宝船
-夢二の木版画の傑作とされる。白波がうねる海原に、ゴンドラ風の小さな帆掛け舟に乗る男女の姿が描かれている。背景には雪をいただく山がそびえ、闇夜のような空には月輪(日輪)が赤く光る。太夫(たゆう)風の髪型の女性は朱色の振袖に緑の帯を締め、三味線を弾いている。舟をこぐ男性は、黒い帽子で西洋風の装いである。画面右上には「宝船」・夢二のサイン「夢」、左下には版元「柳や」と記され、船首のハートが「命」を、帆の「鎌」と「椀」が「かまわん」で、全体として「お前とならば命もかまわん」を意味する判じ絵である。京都清文堂の主人・大槻笹舟が記した「夢二氏宝船の由来」によると、大坂柳屋書店の主人・三好米吉が、京都の遊郭である島原から節分に「宝船」を出し「世の色餓鬼共を済度しやう」と発案し、笹舟はその依頼を受け、1920(大正9)年の正月過ぎに夢二を尋ねて東京まで出向いたという。夢二は宝船の形式を学ぶため上野の博物館へ出かけ、一晩で原画を描きあげた。木版で十版以上の版木が彫られ、色が摺り重ねられている。画面外左下の空摺(からずり)から彫師の来田新太郎と摺師の山崎安太郎が関わっていたことがわかる。
-
文化財指定-
-
カテゴリー
-
作者竹久夢二
-
製作/発行柳屋版/清文堂摺
-
年代大正9年(1920)
-
区分-
-
寸法55.0×36.5cm
-
数量1枚
-
備考木版画
-
所蔵館金沢湯涌夢二館
-
資料ID322
拡大して見る
宝船
[所蔵館] 金沢湯涌夢二館
[作者] 竹久夢二
[カテゴリー] 美術・工芸
カテゴリー
ARなど一部コンテンツは一定量のデータ(パケット)通信を行うため、携帯・通信キャリア各社の回線を使用した場合は通信量が発生します。スマートフォンやタブレットでご鑑賞の場合は、Wi-Fi環境でのご利用を推奨します。また、発生したデータ(パケット)通信費用について、本サイトは一切の責任を負いかねます。