作品/資料詳細
秘薬紫雪挿画
ひやくしせつさしえ桃色と水色の和服に身を包んだ女性が座敷に座り、伏し目がちにこちらを向いている。ロウソクの炎を光源として陰影を施しながらも全体的に淡い色調でまとめており、静寂な雰囲気を表現している。画面上部には「秘薬紫雪挿絵/千九百三十年於会津」とあり、夢二の絵入新聞連載小説「秘薬紫雪(ひやくしせつ)」(『都新聞』1923年9~10月)に関連した作品だとわかるが、作中に該当する場面がないため、ヒロインの雪野を描いたものか判然としない。主人公とその同僚は東京の砲兵隊に勤務する軍人で、前半の舞台は彼らの故郷である会津若松、後半は転勤先の金沢である。作中、場面は浅野川沿いの料亭、犀川、小立野の高台にある師団、そして野田山、湯涌へと移りかわる。結末では、仮死状態に陥ったヒロインが主人公に加賀の秘薬「紫雪」を与えられて蘇生し、真の恋愛が成就する。1920(大正9)年に結核で世を去った恋人・笠井彦乃を哀悼しつつ、1910(明治43)年と1917(大正6)年の金沢滞在の記憶を織り交ぜている。
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文化財指定-
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カテゴリー
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作者竹久夢二
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製作/発行-
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年代昭和5年(1930)
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区分-
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寸法113.0×34.4cm
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数量1幅
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備考日本画(軸装)
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所蔵館金沢湯涌夢二館
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資料ID921
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秘薬紫雪挿画
[所蔵館] 金沢湯涌夢二館
[作者] 竹久夢二
[カテゴリー] 美術・工芸
カテゴリー
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